遥か碧の花嫁に

海底——地球にありながら、未だ全容の知れない神秘の世界。
はじまりは、とある夏休み。
船で南国に向かう最中、突然の大嵐に巻き込まれた主人公・遥生、その妹・みなも、幼馴染みのなつみたち一向は、荒れ狂う海へと転落してしまう。
死を覚悟した遥生が再び意識を取り戻した時——彼がいたのは、豪審なべッドの上だった。
「ここは陽の光すら屈かない水深5000m。わたくしたち海底人の棲まう、海底都市アクランシアにございます」
ケモミミを生やしたメイド・ロザニアが淡々と告げる。
そして、鷲く遥生へ追い打ちをかけるかのように。
「遥生様をアタランシアにお連れしたのは他でもありません」
アタランシアの王女・イリオネーラは頼を桃色に染め——
「突然の申し出で、大変恐縮なのですけど——私と結婚していただけませんか?」
海底の王女に見初められ、その妹にして第二王女・リィルも加わり始まる海底生活。
突然巻き起こった恋の渦潮。
異文化ラブコミュニケーションの流れ着く先は、果たして何処?